寝る前のスマホをやめたいときの5つの小さな工夫

布団に入って「少しだけ」とスマホを開いたら、気づけば1時間たっていた。次の日の朝は眠くて、「今日こそ早く寝よう」と思うのに、また同じことをくり返してしまう。

寝る前のスマホがやめられないのは、意志が弱いからではありません。スマホは、手を伸ばせば届くところにあって、開けば次から次へと新しいものが出てくるようにできています。気合いだけで勝つのは、なかなかむずかしい相手です。

この記事では、「がまんする」のではなく、スマホに手が伸びにくい形を先に作っておく工夫を紹介します。

まず知っておきたいこと:寝る前の画面の光

寝る前に光る画面を見ることについて、アメリカの研究チームがこんな実験をしています。12人の大人に、寝る前の4時間、タブレットで本を読む日と、紙の本を読む日を、それぞれ何日か続けてもらいました。

タブレットで読んだ日は、紙の本の日にくらべて、寝つくまでの時間が長く、眠りをうながすホルモン(メラトニン)が少なく、次の朝の目覚めもすっきりしなかったそうです[1]。

ただし、これは人数の少ない、決まった条件の中での実験です。ふだんの生活でどのくらい影響があるかは、まだはっきりしていません。とはいえ、「寝る前は画面から離れたほうが眠りやすそう」と考えるきっかけにはなります。

1. スマホの「寝る場所」を、寝室の外に決める

いちばん効くのは、スマホを布団から手の届かないところに置くことです。

習慣の研究では、行動は「やりたい気持ち」よりも、まわりの環境に引っぱられることが分かっています。手の届くところにあれば開いてしまうし、少し遠くにあれば、取りに行くのがめんどうになる[2]。

  • リビングに充電器を置いて、そこをスマホの「寝る場所」にする
  • 寝室に置くなら、布団から立ち上がらないと届かない棚の上にする

「見ないようにがんばる」より、「見るのがちょっとめんどう」にするほうが、ずっと楽です。

2. 目覚ましを、スマホ以外にする

スマホを寝室に持ちこむ理由で多いのが、「目覚ましに使っているから」です。

目覚まし時計を1つ用意すると、スマホを枕元に置く理由がなくなります。高いものでなくて大丈夫です。

3. 「スマホを置く時間」を決めて、その前にやることを作る

「なるべく早く寝る」だと、毎晩「まだいいか」となりがちです。そこで、スマホを置く時刻を先に決めます。

  • 「23時になったら、スマホを充電器に置く」

さらに、そのあとにやることを、いくつか並べておきます。

  • 歯をみがく → 明日の服を出す → 本を5ページ読む → 電気を消す

スマホを置いたあとにやることが決まっていると、「置いたけど、手持ちぶさた」になりません。寝る前の流れ(ナイトルーティン)として、毎晩同じ順番でくり返すと、だんだん考えなくてもできるようになります。

4. 寝る前に見るものを、「終わりがあるもの」にする

どうしても何か見たいときは、終わりがあるものを選びます。

  • SNS や動画のおすすめは、次々に出てくるので終わりがない
  • 紙の本や、1話だけ決めたドラマは、終わりが分かる

「スマホを見ない」ではなく「見るものを選ぶ」にすると、がまんしている感じが少なくなります。

5. 朝の楽しみを作っておく

寝る前のスマホは、「今日がもうすぐ終わってしまう」さびしさを埋めているところもあります。

そんなときは、朝にやりたいことを1つ決めておくのもおすすめです。

  • 朝、好きなコーヒーをいれて飲む
  • 朝の15分で、ゆっくり SNS を見る時間にする

「見たいものは、朝に見ればいい」と思えると、夜にスマホを置きやすくなります。

今日からできること

  • スマホの充電器を、布団から手の届かないところに動かす
  • 目覚ましを、スマホ以外にする
  • 「○時にスマホを置く」と時刻を決める
  • スマホを置いたあとにやることを3つ並べる
  • 朝の楽しみを1つ決めておく

参考にした研究

  1. 寝る前に光る画面で本を読むと、眠りにどう影響するかを調べた実験
    Chang, A.-M., Aeschbach, D., Duffy, J. F., & Czeisler, C. A. (2015). Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(4), 1232–1237. doi:10.1073/pnas.1418490112
  2. 習慣が、気持ちよりも場所や時間などのまわりの手がかりで動くことをまとめた研究
    Wood, W., & Neal, D. T. (2007). A new look at habits and the habit–goal interface. Psychological Review, 114(4), 843–863. doi:10.1037/0033-295X.114.4.843